鹿児島県奄美市は15日、税金や介護保険料などの徴収担当だった元嘱託職員の男性が約600万円の公金を横領したとして業務上横領容疑で奄美署に告訴し、発表した。元職員は書いた文字を消せるボールペンを使い、領収書の額面を市民から受けとった金額より少なく書き換え、差額を着服するなどしていた。
発表によると、元職員は2014年から昨年までに徴収した約50件分で計約600万円を横領。市の調査に対し、生活費やギャンブルなどに使ったと横領を認めているという。発覚を免れるために補塡(ほてん)しており、確認できる市の損害額は255万円超。01年度から徴収業務を担い、不正は10年度ごろから繰り返したとも話しているという。
市は昨年12月28日付で元職員を解雇し、今月15日、管理責任で市民部長ら計12人を減給や訓告処分にした。同日の記者会見で朝山毅市長は「市民に心からおわびし、公金の管理態勢を強化する」と話した。(外尾誠)