日本銀行が21日に発表した7~9月の資金循環統計(速報)によると、家計が保有する金融資産のうち「株式等」が9月末時点で209兆円にのぼり、リーマン・ショック前の2007年6月末の保有額(207兆円)を超えた。比較可能な05年3月末以降では最高となった。家計全体の金融資産も前年同月比2・2%増の1859兆円となり、17年12月末の最高額を更新した。
9月までは株式相場の上昇が続いており、保有する株式の時価評価額が膨らんだため。ただ、10月以降は日本市場でも大きく下落しており、12月末の統計にも逆の影響が出てくる可能性がある。一方、家計の資産の過半数を占める「現金・預金」も同1・9%増え、968兆円に上った。
日銀が保有する国債残高は9月末で469兆円に増えた。発行残高全体に占める割合も43・0%に達し、保有額、割合とも最高値を更新した。大規模緩和が始まる前の13年3月末の保有割合は13・1%だった。一方で、銀行などの預金取扱機関が保有する国債は同11・4%減の166兆円で、保有割合は15・2%まで下がり最低値となった。(湯地正裕)