いまの日銀は異例の超緩和政策からの正常化レースで、他のランナーたちにおいてけぼりにされた、どん尻ランナーのようなものである。主要国の中央銀行が長期にわたって続けてきた超金融緩和からこぞって脱却に動き出したというのに、いまだ日銀は異次元緩和の長期戦化をテーマに緩和強化さえ議論の対象としている。
日銀が19~20日に開いた金融政策決定会合で、当面の金融政策の現状維持を決めた。その後に開いた黒田東彦(はるひこ)総裁の記者会見では、一つ一つのキーワードまでいつも通り。世界が不穏な経済情勢となっても、米欧の中央銀行が超金融緩和からの脱却に動いても、話しぶりは変わらない。
異次元緩和は来春で丸6年。これだけ異例の金融緩和を長期間続けても、2%インフレ達成のめどはまったく立っていない。政策の方向性が誤っていることは明らかだ。
にもかかわらず、この日の会見…