世界的な景気減速懸念が世界の金融市場を揺さぶっている。米株式市場では12月に入り、大恐慌以来87年ぶりとなる急ペースで株価下落が進んでいる。東京株式市場でも21日、日経平均株価は4日続落し、2万円の大台割れ寸前まで値下がりした。米中貿易摩擦や中国経済の減速、さらに米国の金融引き締めへの懸念までが加わり、市場は年末にかけて一層「弱気」に傾いている。
20日のニューヨーク株式市場では大企業でつくるダウ工業株平均の下げ幅が一時680ドルに迫った。終値の2万2859・60ドルは2017年10月以来、約1年2カ月ぶりの安値水準だ。
17年末に米トランプ政権が決めた大型減税で経済が底上げされ、米大企業は今年に入って2割前後の増益となった。それを追い風に株価も膨らんだが、すべて消え去ったことになる。
12月に入ってからのダウ平均の下げ幅は2600ドルを超え、下落率でも10%に達した。米メディアによると、12月の下落率ではITバブルが崩壊した後の2002年(6・2%)を超え、大恐慌時の1931年(17・0%)以来の不振となっている。
米経済は失業率が歴史的低水準…