SMBC日興証券は26日、元社員がインサイダー取引事件で大阪地検特捜部に逮捕、起訴された責任を取り、清水喜彦社長と久保哲也会長の役員報酬20%を2カ月間の減給とする社内処分を発表した。他の2人の役員報酬5~10%も2カ月間の減給とする。同社の調査委員会の報告書では、事件への「組織的な関与を示す事実は確認されなかった」とした。元社員は2016年、SMBC日興がアドバイザーを務めたオフィス家具大手イトーキの子会社への株式公開買い付け(TOB)案件で、未公開情報を知人に伝え、この知人が株式を買い付けたとされる。
調査委の報告書によると、元社員は15年に入社。同案件の担当ではなかったが、「部内の断片的な情報から積極的に情報を探索し、TOB情報を取得した」という。(新宅あゆみ)