2016年に発覚した三菱自動車の燃費不正問題で、消費者庁は26日、同社からの供給で軽自動車を販売していた日産自動車に対する課徴金納付命令を取り消したと発表した。命令に対して日産側が不服審査請求し、総務省の行政不服審査会が今年10月、「命令は取り消されるべき」だと消費者庁に答申していた。
日産が2種類の軽自動車のカタログに燃費を水増ししたデータを掲載して不当な表示をしたのは景品表示法違反(優良誤認)にあたるとして、消費者庁は17年6月、日産に課徴金317万円の納付を命じた。
日産側が17年9月に不服審査請求し、消費者庁は今年7月、審査会に諮問。日産側は、三菱側から提供を受けた燃費にかかるデータについて「疑いを持つのは極めて困難だった」などと主張していた。審査会は、日産側がデータの開示を求めても三菱側から開示されることは考え難いとして、日産側がカタログの記載が実際よりも優良と知ることは困難だったと判断した。
消費者庁の岡村和美長官は「一般消費者の利益を保護するため納付命令を出したが、第三者機関の答申の判断を尊重することにした」と説明した。(長谷文)