北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は1日に発表した新年のあいさつで、2回目の米朝首脳会談に意欲を示したが、具体的な譲歩には一切、触れなかった。会談は今春にも実現する可能性があるが、双方の主張の隔たりは大きい。米朝関係が決裂する契機になりかねないとする指摘も出ている。
正恩氏は1日のあいさつで、「完全な非核化を実現するのは党と政府の不変の立場であり、私の確固たる意志だ」と述べた。正恩氏は、昨年も同じ言葉を繰り返したが、廃棄する対象になる核兵器や核関連物資、核施設のリスト提出といった米国の要求を拒み続けた。1日も新たな譲歩はなかった。
逆に「米国が、我々の先んじた努力に相応した行動で会談に臨めば、両国関係は早期に進展する」と述べ、米国の譲歩を促した。「停戦状態を平和体制に転換する多者協議も積極的に推進する」と述べ、朝鮮戦争を巡る終戦宣言に改めて強い意欲を表明。制裁解除を求める考えも示した。
昨年6月の米朝首脳共同声明は…