名古屋市守山区の庄内川から水を引き入れ、名古屋城の近くや市中心部を通り、名古屋港へ流れる堀川。かつては運河として機能していた。そんな堀川で、水面の「お散歩」を楽しむ人たちがいる。
川の「散歩」とは、立ってボードをこぐ「スタンドアップパドルボード」(SUP(サップ))を使い、まっすぐ伸びる水面や町の風景を眺めることという。堀川でボードをこぐ催しを企画したのは、名古屋市内の有志により昨年結成された「ほりサップ実行委員会」。岸辺から普段眺めている川は、どう違って見えるのだろう。2018年11月、記者(27)も「ほりサップ」してみた。
この日の発着場は、名古屋市中心部の五条橋。慶長年間(1596~1615)、徳川家康が清洲から名古屋へ家も寺もまるごと移した「清洲越し」で、一緒に移ったといわれる橋だ。橋の上からは道ゆく人が興味深そうに川面をうかがっている。
今回乗ったのは、最大8人が乗れる通常より大きなボードだ。記者はカナヅチで川に落ちないか不安だったが、ライフジャケットを着て少し落ち着いた。靴を脱ぎ、思い切って乗る。意外と分厚い。ただ、初心者は立ったままだと川に落ちると言われ、座って乗ることになった。
こぎ手は、ほりサップ実行委共同代表の各務太士さん(25)ら3人。乗客は記者含め4人だ。「いってらっしゃい」。共同代表のあいざわけいこさんが出発風景を撮影し、手を振って送り出してくれた。
水面を進むと、樹木しかないと…