平成最後となった2018年の年越し。戦後最長の「いざなみ景気」(02~08年)に並ぶ見通しの景気回復が続く一方、厳しい寒さに耐え、野外で新年を迎えたホームレスたちがいた。(里見稔)
「このまま年とってくのかな」 年越し派遣村から10年
名古屋市中区の大津橋小園では昨年末、年末年始に寝泊まりする家がない人らに温かい食事や毛布などを提供する「名古屋越冬活動」があった。
生活困窮者らを支援するNPO法人などがつくる実行委員会が主催し、44回目。初日の12月28日夜は約75人が集まり、たき火を囲んで振る舞われた親子丼を食べていた。
輪の中に場になじまないスーツ姿の男性(45)がいた。昨年11月下旬から路上生活という。実家は愛知県内だが、「合わせる顔がない。仕事を見つけて稼げるようにしてから」。
昨年10月末、FX(外国為替証拠金取引)で1千万円超の損失を出した。老いた親の生活費にまで手をつけ、失敗を重ねた。
死のうと思った。ロープを仕事用バッグに入れて実家を出た。
「もう死ぬんだから」。口座残…