ビール大手が今春、低価格の「第3のビール」の新商品を相次いで投入する。人口減少や若者のビール離れが続く中、10月の消費増税でさらに売り上げを伸ばすと見込み、商品の刷新や品ぞろえを強化。節約志向を強める消費者を取り込むねらいだ。
ビール系の出荷量、最低に 1~6月、安売り規制も影響
大手4社の今年の事業方針が10日、出そろった。
サントリービールは2月5日に「金麦〈ゴールド・ラガー〉」、4月2日に「マグナムドライ〈本辛口〉」の2商品を投入する。
10日に記者会見した山田賢治社長は「(昨年のビール系飲料市場全体は縮小が見込まれるなかで)第3のビールは堅調だった。消費増税でより消費者の財布のひもは固くなる」とみる。10月に予定される消費増税では、ビール系飲料を含む酒類には軽減税率(8%)が適用されず、税率は10%に引き上げられる。割安な第3のビールにさらに人気が集まるとみて、上半期に多くの広告を打つなどして新商品の浸透をねらう。
アサヒビールは原材料に麦を100%使った「極上〈キレ味〉」を今月29日から売り出す。350ミリリットルの想定価格は145円前後ながら、ビールのようなキレと味わいが楽しめるという。
各社が念頭におくのは、キリン…