プロ野球の新人選手の入寮や合同自主トレーニングの様子が話題になるこの時期。中日の根尾昂(大阪桐蔭高)や日本ハムの吉田輝星(秋田・金足農高)ら甲子園をわかせた高校生ルーキー以外にも、強烈な個性を放つ選手がいる。パンチパーマで入寮したオリックスのドラフト2位、頓宮裕真(22、亜大)だ。
東都リーグ歴代8位タイの14本塁打を放ち、侍ジャパン大学代表で4番を打った期待の大砲。実は、この髪形での入寮は亜大の生田勉監督からの「指令」だった。大学の先輩で、オリックス時代にパンチパーマで人気者となったパンチ佐藤さんにならい、入寮前日の6日にパーマをかけた。
新人合同自主トレがスタートした9日。頓宮の髪形を見ると、パーマがかかっているのは遠目に見てもわかるが、思ったほどでもない。練習後、本人に尋ねると「時間をかけてシャンプーしています。散髪したいけど……。もう少し我慢します」と苦笑い。
恩師からの珍指令にも、真正面から応えた明るい性格は、昨年12月の入団会見の決意表明でも垣間見えた。自身がつける背番号「44」は1980年代に阪急やオリックスで活躍した助っ人、ブーマーの背番号。それにちなんで「ユーマー(頓宮の下の名前)にできるように頑張る」と笑いを誘った。本人も周囲も野球での活躍を一番と考えているだろうが、まずはそのキャラでみせてくれた。(大坂尚子)