米国務省は15日、イラクの首都バグダッドの米大使館と北部アルビルの総領事館で緊急性の低い業務についている一部の職員に、イラクを出国するよう指示した。米国と、イラクの隣国イランとの間で緊張が高まっているのを受けた措置とみられる。
同省はまた、イラク国内に滞在する米国市民に直ちに民間交通機関で出国するよう求めたほか、イラク国内にある米国の施設に近づかないよう要請した。
トランプ米政権は今月、イラン産原油の全面禁輸に踏み切った。イラクには、過激派組織「イスラム国」(IS)への掃討作戦を支援してきた米軍約5千人が駐留し、米政府はイランやその傘下の武装組織による「(米軍への)攻撃の情報がある」としている。空母を中心とする艦船群(空母打撃群)や爆撃機の部隊を中東地域に派遣し、緊張が高まっている。(ワシントン=渡辺丘)