タイの首都バンコクで13日、総選挙の先送りに反対するデモがあった。軍事政権が2月24日にも実施すると表明していた総選挙が3月以降にずれ込む可能性が高まってから、バンコクでのデモは3回目。デモは地方にも広がりつつある。
この日は、バンコク中心部の繁華街に夕方から民主活動家や市民ら百数十人が集まり、「選挙を遅らせるな!」「プラユット(暫定首相)は出て行け!」などとシュプレヒコールを上げた。
また、主催者は声明を出し、遅くとも3月10日までに総選挙を実施するよう要求。選挙実施に向けた動きがない場合、19日にもデモを構えると予告した。
デモの終盤、警備していた警察当局が「音量が規制を超えている」としてやめさせようとし、デモ参加者と小競り合いになる場面もあった。
タイでは2014年5月のクーデター以降、軍政が4年半以上も続いている。軍政は先月、民政移管に向けた総選挙を2月24日に実施する前提での行程表を各政党に示したが、その後に発表された国王の戴冠(たいかん)式の関連行事の日程と選挙後の政治日程が重なるとして、選管に事実上、日程の見直しを求めている。(貝瀬秋彦)