北海道倶知安町の羊蹄山ろく消防組合が消防士の飲酒運転を把握しながら、速やかに警察に通報せず、関係者を懲戒処分した後も公表していなかったことが分かった。
組合によると、昨年8月1日未明、ニセコ町の国道5号で、停車中の乗用車を勤務中の救急隊員が見つけた。車に乗っていたニセコ支署の20代消防士が「酒を飲んだ」と話したため、救急隊員は上司に報告した。
その後の組合の調査に対し、この消防士は車に同乗していた倶知安消防署の20代消防士と一緒に蘭越町内でビールを飲んだと認めたため、8月22日付で2人を減給10%(6カ月)の懲戒処分とし、川村順二消防長ら管理職5人を厳重注意とした。
組合は飲酒運転の事実を把握した時点で、飲酒から約10時間が経過し、消防士からアルコールが検出できないと判断し、警察への通報は見送った。倶知安警察署には11月下旬に報告したが、3カ月以上が経過していたため捜査は見送られたという。
川村消防長は「誤った判断で警察に通報せずに反省している。飲酒運転の再発防止に努めたい。住民に不信感を与えたことをおわびしたい」と話した。(佐久間泰雄)