札幌市の池田詩梨(ことり)ちゃん(2)が衰弱死した事件で、北海道警は27日、詩梨ちゃんに食事を十分に与えず死亡させたとして、母親の池田莉菜容疑者(21)と交際相手の藤原一弥容疑者(24)=いずれも傷害容疑で逮捕=を保護責任者遺棄致死の疑いで再逮捕し、発表した。道警は、2人の認否を明らかにしていない。
2歳女児衰弱死、児相に通告複数回 1カ月前から暴行か
道警捜査1課によると、両容疑者は、札幌市中央区の莉菜容疑者の自宅アパートで、詩梨ちゃんに十分な食事を与えず、次第に衰弱していくのを知りながら、病院に連れて行くなどの適切な措置を取らずに6月5日に死亡させた疑いがある。藤原容疑者は莉菜容疑者宅に頻繁に滞在しており、詩梨ちゃんを保護する責任があったと、道警はみている。
「子どもの泣き声が聞こえる」との通報を受けた道警が5月15日に母子と面会した際には、身体の様子などから虐待の状況は認められず、道警は、同月中旬以降に育児放棄などが激しくなったとみて調べている。
捜査関係者によると、司法解剖の結果、詩梨ちゃんには、頭や顔などにあざがあったほか、たばこを押しつけられたようなやけどの痕が見つかった。体重は同じ年代の半分ほどの6キロ程度だった。両容疑者は「(詩梨ちゃんが)転んでけがをした」などと供述し、傷害容疑を否認しているという。
札幌地検は6月27日、傷害容疑について処分保留とした。引き続き捜査する。