札幌市豊平区の爆発事故で、出火元とみられる不動産仲介店の運営会社「アパマンショップリーシング北海道」(同市)は22日夜、初めての住民説明会を同区で開いた。終了後、佐藤大生社長らが報道陣の取材に応じ、被害補償について原状回復に必要な費用の全額を同社が負担する方向で検討していることを明らかにした。
説明会は現場のすぐそばにある15階建てマンション「ファミール平岸」の住民が対象で約80人が参加。報道陣には非公開だった。佐藤社長や同社代理人の中村隆弁護士の説明では、全42世帯のほぼ全てで窓ガラスの破損やサッシのゆがみなど、何らかの被害が生じている。
説明会では、佐藤社長が謝罪し、補償の手続きや補修工事のスケジュールを説明。同社は復旧費用を全額負担する方向で検討し、休業補償など法的に認められる補償範囲は全てカバーする考えだ。
しかし、具体的な補償金額やその回答期限を住民に示すことができず、質疑は約2時間に及んだ。「窓に板をはっても部屋が寒い」、「小さな子どもがいる家庭では、ガラスの破片が飛散していると危なくて住めない」といった声が上がった。事故原因や経緯の説明もしていないという。
佐藤社長は「まだ納得いただけない内容だった。再度、説明会を開いて検討させていただきたい」と述べた。現場周辺の店舗に対しては説明会は開かず、個別に訪問して対応するという。(布田一樹、遠藤美波)