世界野球ソフトボール連盟(WBSC)はこのほど、イタリア・ローマで開催した理事会で、WBSC主催の一部国際大会を7イニング制に移行する方針を固めた。2020年東京五輪の野球競技は9イニング制が維持されるが、その後の年齢カテゴリー大会から変更していく。20年秋開催予定のU23(23歳以下)ワールドカップ(W杯)、21年のU18(18歳以下)W杯が7イニング制となる。現状では、プロ野球や高校野球など国内の野球や、大リーグへの影響はない。
東京五輪で復活する野球競技は、24年のパリ五輪以降で採用されるかは未定。WBSCは野球の五輪競技への完全復活を目指し、試合時間短縮などをアピールするため7イニング制導入を模索してきた。イニングが短くなれば投手数を減らして選手登録枠の縮小も可能なため、大会のスリム化アピールにも好材料になる。
野球のルールは大リーグの規則が基準で、大リーグが変更しない限り、野球規則が7イニング制になることはない。今回のWBSCの決定は、WBSC主催の一部大会での「特別ルール」の位置づけ。大リーグ主催の国際大会ワールド・ベースボール・クラシック(WBC=次回開催予定は21年)には影響がない。
今年秋に開催されるWBSC主催の国際大会「プレミア12」は9イニングで開催される。ただ、パリ五輪以降も野球が実施された場合、主要大会でも7イニング制になる可能性がある。WBSC幹部は朝日新聞社の取材に対し、「各競技団体が時間短縮、選手数削減を進める中、野球だけ何もやらないわけにはいかない」と語った。