早大野球部の監督に来年1月1日付で就任する小宮山悟氏(53)が11日、監督就任発表後初めて西東京市にあるグラウンドで練習を見守った。12月までは特別コーチとして選手の指導にあたる。
白い練習着にえんじ色のジャンパーを着込み、「W」のマークがついた帽子をかぶった。ノックバットを手に選手の動きをつぶさに見つめていた。小宮山氏は「身の引き締まる思いは監督の話をもらってからはずっと持ち続けている」と言う。この日は午前9時から約30分間のミーティングを開き、思いを伝えた。高い投球術や鋭い解説などで理論派の印象がある小宮山氏だが、根底には情熱的な人柄がある。「うまくなりたいと思って(僕らに)ぶつかってくれば必ずそれに応える。厳しい言い方をすればやる気のないやつは置いていくということです。もがいている選手には手をさしのべ、願っているところまで引き上げてやりたい」と熱く語った。
就任に向けて、「身だしなみ部分で」とトレードマークのひげをそった。「11月3日のNHKの番組が終わった後。でも娘も2日間気づかなかった」と笑う。選手時代はキャンプイン前日夜に必ずそっていた。「無事に過ごせますようにとね。だから引退した2009年1月31日以来そっていなかった」と話した。
元プロ監督としての自覚は強い。「プロとアマが歩み寄る形になってきているので、失敗は許されない。成功うんぬんではなく、プロがアマチュアに戻ることで色々と弊害が生まれてはならないので。アマチュアのことを思いながら色々とやっていきたい」。早大野球部とともに将来の球界を見据えていた。(坂名信行)