JR九州・青柳俊彦社長インタビュー
長崎新幹線は2022年度に武雄温泉―長崎間の暫定開業が予定されている。でも(新鳥栖―武雄温泉間は整備方法が未定で当面は在来線で乗り継ぐ方式なので)時間短縮があまりできず、会社の利益増加分はかなり限定的なものになる。
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新幹線開通後は、利益が上がった分は、(国の外郭団体に)我々が線路使用料を納めることになる。新幹線の建設費をどうやって捻出するかが議論されているが、JRからは利益をしっかり上げて、使用料を国に納めることで貢献できる。
そのためにも、暫定のままではなく早期に全線が開通して、投資効果を高めることが重要だ。新鳥栖―武雄温泉間を、最も投資効果が出るフル規格で整備するべきだ。
鉄道会社にとって、これからは新幹線の時代だと思う。高速道路網が充実し、地方では移動手段として、車より在来線が選ばれるという状況はあまりない。交通手段として生き残れるのは、都市間の大量輸送を担える新幹線の方だ。
一方で、在来線をどうしていくかの議論も、今後、進んでいくだろう。
豪雨で被災した日田彦山線では、運行を維持するためのアイデアとして、自治体からの財政支援を求めたが、こだわっているわけではない。利用者を増やす促進策などいろんな知恵があると思う。
人口減少はさらに進み、民間会社だけで支え続けるのは限界がある。ヨーロッパでは税金を投入してでも鉄道を残そうと、各地で、維持費を行政が負担する上下分離などが進んでいる。
ぜひ日田彦山線の議論を機に、在来線のあり方について自治体、住民との話し合いを深めていきたい。(聞き手・女屋泰之)