JR西日本は17日、吹田駅構内(大阪府吹田市)にある、在来線の通過速度を体感する社員研修用設備を報道陣に公開した。研修は最速130キロで通過する列車近くの作業の危険性を認識してもらうためという。
目前に新幹線、恐怖の風圧体験研修 労組「見せしめだ」
場所は吹田駅のホームと反対側の線路脇。新快速や特急などが通過する線路から約2メートル離れた場所に、高さ約1メートルの仕切り柵がある。列車はあっという間に過ぎていく。「線路で作業に集中していたら列車の接近に気づかない。危険性を身をもって知ってほしい」とJR西の担当者は研修の意義を話す。
研修は新入社員向けに実施してきたが、「安全考(こう)動計画」を更新した今年度から全社員が対象という。
JR西の列車通過時の体感研修を巡っては、新幹線のトンネル内に社員が座り、最速300キロでの通過を体感する研修を2016年から実施してきたが、労働組合の一部が危険性を指摘。昨年10月に実施場所を線路脇の柵外に移して継続すると発表した。(波多野大介)