商船三井客船が運航する大型クルーズ船「にっぽん丸」(全長約166メートル)が昨年12月30日夜、米国・グアムを出港直後に桟橋に衝突する事故を起こし、船長から国の基準を超えるとみられるアルコールが検出された。船長は事故後に飲んだ、と話しているといい、横浜海上保安部が原因を捜査中だ。客船の乗組員の飲酒検査は、どうなっているのか。
グアムで事故の客船「にっぽん丸」が帰港 海保が調査
にっぽん丸は客室が202ある日本有数の豪華客船で、今回は乗員乗客計624人。先月26日夕に横浜を出発し、グアム、サイパンに滞在して1月3日夕に横浜に戻る予定だった。2人1部屋で1人あたり100万円を優に超えるプランもあった。事故で船尾の左右に穴が二つあいたが、けが人はいなかった。
クルーズ船では、乗組員が数カ月間にわたり船に泊まり込んで勤務することも珍しくない。商船三井客船によると、船長に決まった勤務時間はない。出入港時など難しい場所での操船はするが、洋上に出てからは、航海士と操舵(そうだ)手が2人1組のペアで操船。航海士が周囲の状況から指示を出し、操舵手が舵輪と呼ばれる車のハンドルのような装置などを動かして方向や速度を調整する。3組のペアが交代で、航海中、4時間の勤務と8時間の休憩を繰り返す。
国は、飲酒により正常でない状…