名古屋刑務所(愛知県みよし市)で、受刑者ら300人がインフルエンザにかかったことが、刑務所への取材でわかった。刑務所は「非常事態」として刑務作業の一部を中止するなどしている。
刑務所によると、30日時点で、受刑者100人(全受刑者1714人)、職員36人(全職員452人)が感染。治った人を含めると受刑者205人、職員95人に上る。重症者はいない。受刑者の感染者数は、2015年度に100人を超えたことはあったが、今年度は記録が残る直近5年では最多という。
刑務所では、昨年12月以降、マスクの着用や感染した受刑者の隔離などをしてきたが、1月24日から急増した。さらなる感染拡大を防ぐため、食事作りと洗濯以外の刑務作業を中止しているほか、毎朝、診断キットで職員の感染の有無を確認するなどしている。
担当者は「ピークは越えたとみられるが、油断してはいけない状況。外来者も多いので原因はわからない。ウイルスが目で見えれば入ってこないようにするんですが」と話した。
名古屋矯正管区によると、管内の愛知、岐阜、三重、福井、石川、富山の各県で、インフルエンザが流行している矯正施設は、ほかにはないという。(仲程雄平)