脳の動脈が詰まったり細くなったりする原因不明の難病「もやもや病」にかかわる遺伝子に、細胞内の脂肪を蓄積させる役割があることを、京都産業大などのチームが発見した。発病との関連ははっきりしないが、役割の一端がわかったことで、今後、病気の仕組みの解明につながる成果という。
もやもや病は日本で発見された病気で、国内では約1万人に1人が発病するとされる。患者は東アジアに多い。脳の血管の変化は子どものころに起きることが多く、脳梗塞(こうそく)や脳出血のリスクが高まる。根治療法はなく、対症療法として、血液が流れる経路を新たにつくる「バイパス手術」が必要となることもある。
この遺伝子はチームの研究者らが発見し、患者の75%に変異がみられたと、2011年に発表した。一方、その詳しい働きはわかっていなかった。
京産大の主任研究員だった森戸大介・現昭和大講師らは、ヒトの培養細胞を使って遺伝子を増幅。つくられたたんぱく質の形状を解析すると、その構造は球状で、中に脂肪をためていた。さらに、脂肪を分解する酵素の働きを抑えることで、細胞内に脂肪を蓄積させていることもわかった。
この遺伝子は、患者がまれな白…