プロバスケットボールBリーグ1部の川崎の客足が好調だ。今季開幕から2018年末までの1試合平均観客数は3837人で、昨季同期の2605人から47%増えた。B1全体が6%増のなか、この伸び率は他17チームを上回る。背景にあるのが、東芝に代わって今季から運営を担うIT大手のディー・エヌ・エー(DeNA)の戦略だ。
音楽と光の演出
DeNAは、11年オフにプロ野球の横浜ベイスターズを買収。16年に横浜スタジアム(横浜市)も買収して球団との一体経営を図り、昨季の年間観客動員数を球界参入前の約1・8倍まで増やした実績を持つ。
ベイスターズで事業本部長を務めていた川崎の元沢伸夫社長(42)は、「ベイスターズの施策のすべては、徹底的にお客さんに喜んでもらう方法を追求するという、シンプルな考え方からスタートしていた。それは川崎でも同じ」と語る。
川崎が着手したのは、試合会場の雰囲気の一新だ。川崎市とどろきアリーナにつり下げ式4面ビジョンを新設し、DJブースやムービングライトを使って音楽と光の演出を採用。通路の照明は赤を基調にやや暗めにし、コートが浮かび上がって見えるようにした。球場の席をチームカラーの青に染めて「非日常空間」を作りあげたベイスターズと同様の手法だ。
オリジナルクラフトビールの販売も取り入れた。ベイスターズからのつながりで、川崎の地元醸造所と共同開発。プロ野球でおなじみのサーバーを背負った売り子が座席間を練り歩くと、当初1カ月分の想定で準備したビールがわずか2日間で完売した。追加で別のクラフトビールを販売するうれしい誤算もあった。
■女子会テー…