(13日、バスケットボール全日本選手権男子決勝)
男子バスケ、千葉が3連覇 残り3秒、逆転3点シュート
試合時間は残り3秒。1点を追う千葉のPG富樫の視界が、ぱっと開けた。「空いたら打つと決めていた」。即座に放った3点シュートは、3連覇をつかみ取る一投となった。
この試合、司令塔の富樫は不調だった。直前にはファウルを犯し、相手に勝ち越しを許すフリースローを与えていた。延長に入るまで7本のシュートを放ちながら無得点。それでも「信頼は揺るがなかった」と大野監督。最後のワンプレーをチームの「顔」である富樫に託した。
「今後の人生でこんなことは二度とないと思う」。試合後も、富樫自身が一番驚いているようだった。ただ、チームは準々決勝以降、すべて3点差以内の接戦を勝ち上がってきた。最後の場面も焦りは感じられなかった。「仲間のおかげで思い切り打てた」。チームの底力が発揮された逆転劇だった。(松本麻美)