スポーツ仲裁裁判所(CAS)は1日、2012年ロンドン五輪の陸上男子走り高跳び金メダルのイワン・ウホフらロシアの陸上選手12人をドーピング違反で処分したと発表した。12年ロンドン五輪女子走り高跳び銅メダルのスベトラーナ・シコリナも含まれ、処分対象者のメダルは剝奪(はくだつ)となる。過去にさかのぼる処分を含め、最長の選手は8年の資格停止。
CASは、今回の裁定は世界反ドーピング機関(WADA)の調査チームがロシアの組織ぐるみのドーピング違反を明らかにした「マクラーレン報告書」に基づいて主に判断したとしている。この報告書について、ロシア側は14年ソチ冬季五輪当時の現地のドーピング検査所長で検体のすり替えなどを認めたロドチェンコフ氏(のちに米国に亡命)の証言は疑わしいと主張。国家ぐるみのドーピング隠しについては、明確には認めていない。
この日のCASの裁定について、WADAは1日、「マクラーレン氏の調査に起因する処分を歓迎する」との声明を発表した。(稲垣康介)