森友学園(大阪市)への国有地売却問題で、地下のごみの状況を調べて国への報告書を作成した業者の回答書が4日、参院予算委員会の理事懇談会で示された。報告書にある複数の穴の写真の一部は同じ穴を写したものではないかと野党が追及していたことについて、業者は回答書で「写真の引用を誤った」と認めた。国会から指摘を受けた国土交通省が問い合わせていた。
森友ごみ写真「深さ意識せず撮影」と業者説明 野党視察
森友問題は終わっていない 時系列で振り返る一連の経緯
回答したのは、学園側の施工業者「藤原工業」(大阪府吹田市)。文書は1月24日付で、弁護士を通じて30日に国交省大阪航空局に送られた。回答書では、同社が2016年4月に作成した報告書で別々の穴のものとして使った写真について「同一の穴の写真と思われる」「対象とする写真の選定を間違えた」と説明した。
同社には1月17日、野党の国会議員らが訪問し、聞き取り調査を行った。野党議員はその後の会見で、同社が報告書の写真について「ごみの深さを意識して撮影していない」と語ったなどと説明。野党議員は「値引きの根拠は崩れた」と主張したが、同社は回答書で「発言内容が正確に引用されていない」「当初の写真撮影時は深さを意識していなかったが、報告書作成時は意識していた」と反論した。