フィギュアスケートの四大陸選手権が8日(日本時間9日)、米アナハイムで女子フリーがあり、銀メダルを獲得したエリザベート・トゥルシンバエワ(18)=カザフスタン=が4回転サルコージャンプに挑んだ。このジャンプは2002年に当時14歳の安藤美姫が女子で初めて成功。最近ではロシアのジュニア選手も着氷しているが、シニア選手の挑戦は主要国際大会では異例だ。
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トゥルシンバエワが挑んだのはフリーの冒頭。「表彰台に上がるとは思っていなかった。ショートプログラム6位で失うものは何もなかったので、4回転に挑戦した」。結局、転倒した。だが、ほかのジャンプは全て決め、フリー3位の139・37点、合計207・46点をマークし、いずれもルール改正後の自己ベストを更新。カザフスタン女子では初めて、この大会で表彰台に立った。
身長148センチ。AP通信によると、16年から4回転に取り組み、数週間前にプログラムに入れた。3月20日開幕の世界選手権(さいたま市)で再び挑むという。「同じプログラムで滑る」
モスクワ出身で、兄の影響でスケートを始めた。五輪2大会連続金メダルの羽生結弦(ANA)を指導するブライアン・オーサー・コーチに師事していた17年世界選手権で9位、昨年の平昌(ピョンチャン)五輪で12位に入った。カザフスタンでは、14年ソチ五輪男子銅メダリストで、昨年7月に強盗に刺されて25歳で亡くなったデニス・テンさんに続く選手として期待されている。
一方、国際スケート連盟の資料によると、バイオリンにも本格的に取り組んできた。モスクワの音楽学校で学んでいたという。自身のインスタグラムには、バイオリンを演奏する動画を投稿している。
だが、今の最大の目標の一つは、4回転成功のようだ。「4回転に挑戦できてうれしい。着氷するまで挑んでいきたい」