タイのタクシン元首相は9日夜、ツイッターに「元気を出して、前に進み続けよう」と投稿した。3月24日に予定される総選挙をめぐり、タクシン派政党が画策したウボンラット王女の首相候補擁立が事実上の断念に追い込まれるなか、強気を見せて支持者を鼓舞する狙いがあるとみられる。
タイ王女の擁立、1日で断念 国王「非常に不適切」声明
タクシン氏はツイッターで王女の件には触れず、「我々は今日と未来に向かって生きている」と書き込んだ。
王女をめぐってはタクシン派政党の一つ、タイ国家維持党が8日朝、総選挙に向けた党の首相候補として当局に届け出たが、同日夜にワチラロンコン国王が王女の政治関与は「非常に不適切」とする声明を発表。国家維持党は9日、国王の声明に従うとして擁立を事実上、断念した。
当初は選挙戦を有利にする妙手とみられたが、王室の政治利用だとして反タクシン派から同党の解党を求める声が上がり、タクシン派は逆に守勢に立たされている。(バンコク=貝瀬秋彦)