昨年6月にタイ北部チェンライ県の自宅を出たまま行方不明になっていた認知症の女性(59)が、600キロ以上も離れた中国南部の昆明で保護され、約8カ月ぶりの帰国を果たした。
AFP通信やタイメディアによると、山岳少数民族の女性は昨年6月12日、近くに住む息子に会うために自宅を出たが、その後、消息が分からなくなった。7カ月以上が経過した今年1月下旬、昆明の高速道路を歩いているところを中国の警察当局に保護され、身分証を持っていたことからタイ当局に連絡があった。
チェンライから昆明に向かうためには、ミャンマーやラオスと国境を接する山岳地帯を越えていく必要がある。女性は「歩き続けた。タイから出たことには気付かなかった」と話しているというが、どんな経路で昆明にたどりついたのかは不明だ。
女性は出迎えに行った娘(35)とともに、15日に飛行機で帰国。娘によると、約60キロあった体重が約40キロに減っていたという。(バンコク=貝瀬秋彦)