新天皇の即位にともなう4月末から5月初めの10連休まで2カ月余り。旅行業界では、海外など遠方への長期の旅行に予約が殺到している。一方、暮らしへの影響を心配する声もあがっている。
「海外はもう厳しいです」「キャンセル待ちが100人以上です」。東京・上野にある日本旅行サービスの店舗では昨年末から、客にこんな説明を繰り返している。10連休が決定した後、来客が急増。海外旅行の売り切れが続出したからだ。
日本旅行によると、ゴールデンウィーク(GW)の予約状況は「かつてない数字」で、今月4日現在、国内が前年比2・8倍、海外は同3倍。とくに海外旅行は「経験したことがない勢い」で完売した。連休の大型化にあわせ旅程の長い欧州行きを例年の1・5倍も準備したが、あっという間に埋まった。いまはキャンセル待ちが積み上がっている状況という。
国内でも旅程が長い地域が人気で、北海道が前年比4・8倍、沖縄が同3・7倍。ただ、国内は行き先によってはまだ予約が取れるという。担当者は「キャンセル料が発生する時期の直前に取り消しが出ることもある。あきらめず店に相談を」と話す。
JTBもGW期間の予約は、国内が前年比3倍、海外が同2・5倍という。
空の便も活況だ。全日空によると、すでに連休序盤の日本発欧州行きがほぼ100%の予約率で、北米やハワイも90%を超えた。広報は「長い休みをフル活用して遠方に行くニーズだろう」とみる。
旅行やレジャー以外の業界も連休を商機とみる。飲料メーカーは「祝い酒特需」に期待し、キリンの広報担当者は「新時代をお酒で祝う人も多いはず。消費も伸びてほしい」。アサヒグループホールディングス担当者も「GWに向け店でビールのお試し配布をする。消費喚起につなげたい」ともくろむ。
多くの銀行窓口が休むなか、店をあけ続ける金融機関も。岐阜県の大垣共立銀行は、10店で相談や入出金に応じ、ほかとの差別化で需要を見込む。
■保育園は9連休「シッターに預…