JR西日本は22日、福岡市の博多駅のみどりの窓口で勤務していた男性契約社員(31)が、利用客の注文よりも切符を1枚多く発券して代金を払わせ、その後に別の駅で払い戻しする手口で計7万2570円を着服していたと発表した。社員は不正を認めており、同日付で懲戒解雇した。
同社によると、社員は昨年12月から今月10日にかけて計7回、クレジットカードで決済する利用客に、1枚多く新幹線の切符を発券。勤務が終わった後に別の駅でその切符を払い戻し、現金を着服していた。
不正に発券していた額は、8420円(博多―広島)~1万4480円(博多―新大阪)。いずれも利用客が注文した切符とは関係のない区間だった。
切符を購入した利用客から今月15日に「購入した金額と支払いの総額が異なるのではないか」と同社に問い合わせがあった。過去の発売データを調べたところ、不正が判明した。クレジットカード会社を通じて利用客に連絡し、謝罪して返金する予定という。
社員は同社の聞き取りに対し「客から利用明細はいらないと言われ、渡さなかったケースもあった」などと説明。動機については「生活費に困っていた」と話しているという。
同社では、発券した切符の内訳を客に見せて確認してもらうよう指導しているという。担当者は「このような事案はこれまで把握していない。切符の内容と支払い金額の合計に大きな違いがないか、一緒に確認していただければ有り難い」と話している。(山野健太郎)