日本で亡くなったベトナム人技能実習生や留学生らを弔っている東京都港区の寺院「日新窟(にっしんくつ)」の僧侶らが今月、ベトナムを訪れた。希望を抱いて日本に来た若者が、なぜ苦しい状況に追い込まれてしまうのか。僧侶らは遺族や送り出し機関から話を聞き、対策につなげたいと願っている。
「いびつな政策の犠牲者」ベトナム人実習生らの相次ぐ死
「中絶か強制帰国、どちらか選べ」妊娠の実習生は逃げた
日新窟の寺務長の吉水里枝さん(49)らは19日、ベトナム北部バクザン省を訪れた。青森県内で今月死亡した実習生グエン・ティ・チャンさん(34)と、岩手県内で昨年12月に死亡した実習生のグエン・バン・ハさん(36)の遺族を訪ね、位牌(いはい)に手を合わせた。
ハさんの妻マイさん(32)によると、ハさんは寮で朝、布団の中で死亡しているのを同室の同僚が見つけた。「ベトナムでは給料も安く貯金もできない」と来日したが、渡航にかかった150万円の借金は返済できたものの、貯金はほとんどできなかった。家族の元に帰国したのは4年余の間に1度だけ。10歳と7歳の息子は、毎日テレビ電話で話すたび「お父さん(電話から)出てきて!」と声をかけていたという。
20日には、日新窟のベトナム…