中朝国境の鴨緑江が流れる中国・遼寧省丹東市では、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長を乗せたとみられる特別列車が鉄橋を渡って入国した23日の夕方から夜にかけ、厳しい警備が敷かれた。持ち主と連絡がつかない車は次々にレッカー移動され、鴨緑江沿いでは私服の公安関係者がカメラを出した人を制止したり、通行する車をパトカーで尾行したりした。
特別列車が北朝鮮側の国境の街・新義州付近に到達したとみられる午後9時(日本時間同10時)前には中国側の鉄橋付近で打ち上げ花火が上がり、駅のホームには多数の出迎えの関係者らが整然と並んだ。
中国に入った特別列車は丹東駅で停車後、午後10時15分ごろに出発。時折、汽笛を鳴らしながら時速60キロほどで遼寧省内の山間部などを進み、約4時間後に瀋陽市付近を通過した。走行中の列車の多くの窓からは深夜でも明かりがもれていたが、カーテンが引かれていて外から中の様子を見ることはできなかった。(丹東=平井良和)