銀行が中小企業経営者に求める個人保証で、経営者が代替わりした後も新旧経営者に保証を求める「二重取り」を見直す動きが出ている。金融庁は企業の代替わりを進めるため、事業自体を評価して、個人保証をむやみにとらないよう要請しており、銀行も姿勢を変え始めた。
全国銀行協会が会員行に対し、取引先の代替わりの際に旧経営者の保証を解除せず新経営者からも保証をとった「二重取り」のケースを調べた。2018年4~9月は大手行、地方銀行、第二地銀で全体の15%前後で、17年10月~18年3月の30%前後からほぼ半分に低下した。過去3年でみると二重取りの比率は、大手行で30%台後半、地銀や第二地銀では40%超の時期もあった。
個人保証は中小企業が金融機関から借り入れる際、経営者が保証する商習慣。会社の資金で返済できなければ私財で弁済する。経営に責任感が出る一方で、負担は重く、若い後継候補は継ぐことに尻込みしがちだ。保証の「二重取り」は、後継に託したのになお保証を求められる先代経営者にも厳しい。過度な保証を求める金融機関の姿勢を問題視する声があった。
金融庁や中小企業庁は金融機関…