試合終了から30分ほど過ぎると、プロの闘いの舞台は子供たちのものになる。プロバスケットボールBリーグのシーホース三河の「コート開放」だ。
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ファンクラブのキッズ会員(小学生以下)対象のイベントで、Bリーグ1季目の途中から始まった。基本的に、会場撤収作業がないホーム2連戦の第1試合が開催日。会員増に合わせて2季目は試合前にも。3季目の今シーズンは試合の前に15分間を2回、後に30分間を1回、開放している。
10日に初体験した愛知県西尾市の山本奏葉(かなは)さん(10)は、通っているバスケット教室とは違う魅力を感じた。「好きなことができて楽しかった」。シュート大会のような仕掛けを考えがちだが、子供用のゴールを2基増やすだけ。コート開放では自由に遊べることを大切にしているという。それが子供たちにとって一番楽しめるからだ。
そもそも会員特典のボールを「あげっぱなしではダメでしょ」と検討を始めたのがきっかけだった。相手目線に立って生まれたイベントに、三河のエース金丸晃輔(29)は「ぼくが子供だったらうれしい。こうした環境作りはありがたい。続けてほしい」。金丸の長女(7)、長男(4)もキッズ会員で楽しんでいる。(松本行弘)