今夏に中国で開催されるバスケットボール男子のワールドカップ(W杯)アジア2次予選が21日、テヘランで行われ、日本(世界ランキング47位)はイラン(同26位)を97―89で破り、F組2位に浮上して本大会出場に大きく前進した。
J創設以来の豪華さ ビジャも加入、海外スター続々
バスケ男子、W杯かけ大一番 八村・渡辺不在でイラン戦
日本は24日の最終戦でカタールと戦う予定だが、22日(日本時間23日未明)に行われるE組の結果次第で、2006年大会以来のW杯出場が決まる可能性がある。
日本は前半、比江島(栃木)とファジーカス(川崎)を中心に高確率のシュートでリードを奪うと、後半は効果的に速攻を決め、逃げ切った。
渡辺、八村が不在 24得点で穴埋める
「(穴を埋めるのは)自分しかいない」。比江島(栃木)はこの日、強い覚悟で試合に臨んだ。第1クオーター(Q)から積極的に1対1を仕掛け、ドリブルで鋭くゴール下に切り込んだかと思えば、3点シュート。出だしからいきなり7連続得点し、一気に日本ペースに持ち込んだ。
代表はこの試合、これまでの予選で得点源だった米プロNBAグリズリーズでプレーする渡辺雄太と米ゴンザガ大の八村塁が、米国での活動を優先するため欠場。アウェーでのアジア強豪との試合に、厳しい戦いが予想されていた。
この状況で、比江島は自ら「目標20得点」を課した。28歳。普段は口数が少なくおとなしい性格だが、ボールを持つと良い意味で「自己中心的」になれる。昨年8月からは約5カ月間、豪州のプロリーグで武者修行。海外勢に当たり負けしない身体の強さを磨いてきた。
比江島は「パスよりも自分が点を取ることに集中した」。守備の負担を減らすなどチームからのサポートもあり、最終的には3点シュート2本を含む24得点。69・2%という高いシュート率も際だった。ラマス監督は「エクセレント。ほぼ完璧なプレーをしてくれた」と褒めちぎった。
2016年、リオデジャネイロ五輪最終予選で出場権を逃した経験のある比江島にとって、ワールドカップ(W杯)は念願の大舞台だ。「あと1試合。最後まで集中して戦いたい」(松本麻美)