昨年6月に東芝から独立した半導体メーカーの東芝メモリの業績が急落。売上高に対する営業利益の比率が2019年1~3月期は「ゼロ前後」と、前年同期の47・5%から大幅に落ち込む見通しであることがわかった。早期の株式上場をめざす成長戦略にも狂いが生じかねない。
売上高営業利益率は、企業の稼ぐ力を示す。東芝メモリは非上場のため決算を公表していないが、同社への取材によると、18年7~9月期に「30%台後半」だった利益率が、10~12月期は「20%台半ば」に低下。1~3月期は営業利益がゼロに近い状態に落ち込みそうだという。同社幹部は「昨年末から厳しい局面にある」と話す。
最大の要因は、主力製品のNAND(ナンド)型フラッシュメモリーの値崩れだ。18年10~12月期の出荷価格は7~9月期より25%前後も下がった。米中摩擦の激化で世界経済の先行きに不透明感が広がり、スマートフォンの増産やデータセンターの増設などの投資が控えられていることが大きい。
東芝メモリに約4割出資する東芝の決算にも、悪影響が出ている。東芝は13日に発表した19年3月期の業績予想で、東芝メモリによる持ち分法損益を「50億円の赤字」と見込んだ。
■「早期上場」 シナリオ…