米朝首脳会談のためベトナムの首都ハノイを訪問中の北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長は2日午前、ベトナムのホー・チ・ミン初代国家主席の遺体が安置されているホーチミン廟(びょう)を訪れた。その後、同日中に帰国の途につくとみられる。
中国国境に近い北部のドンダン駅では、朝から特別列車での帰国に向けたとみられる準備が進められている。トランプ米大統領との会談では非核化をめぐる合意に達せず、北朝鮮側が望んだ制裁緩和でも進展がないままの帰国となる。
正恩氏は午前9時半(日本時間午前11時半)過ぎに宿泊先のホテルを出発し、ホーチミン廟を訪れて献花した。正恩氏の祖父の金日成(キムイルソン)主席が首相時代にベトナムを訪問し、ホー・チ・ミン氏と会談しており、その足跡をたどる意味があるとみられる。正恩氏は同10時過ぎに廟を後にした。
正恩氏は米朝首脳会談に臨むため、特別列車で中国を経由して2月26日にベトナム入り。27、28日の米朝首脳会談の後、3月1、2日をベトナムへの公式訪問にあてていた。(ハノイ=鈴木暁子、ドンダン=野上英文)