裁判をやり直す再審で無罪が確定したり、再審の開始を求めたりしている人や家族ら約50人が2日、「冤罪(えんざい)犠牲者の会」を結成した。再審を判断するための第三者機関「再審審査会」の設立などを目指し、国会に法改正を働きかけていく。
都内で開かれた総会には、いずれも再審無罪となった布川(ふかわ)事件の桜井昌司さん(72)、足利事件の菅家(すがや)利和さん(72)、大阪・東住吉事件の青木恵子さん(55)らが参加。再審開始が認められた後に取り消された袴田巌さん(82)、志布志事件で無罪となった藤山忠さん(70)らも加わった。冤罪事件を担当した捜査員や裁判官を処罰する制度、警察や検察による証拠隠しなどを防ぐ「証拠管理所」の設置、国会に「冤罪原因調査委員会」を作ることなどを目指す方針を確認した。
呼びかけ人の桜井さんは「捜査機関が自白の強要や証拠の捏造(ねつぞう)をし、裁判所もそれを見過ごしてきたから冤罪は起きた。犠牲者自身が声をあげ、司法を変えていきたい」と話した。(北沢拓也)