韓国政府は3日までに、李洙勲(イスフン)駐日大使に代わる新大使に大統領府の南官杓(ナムグァンピョ)・前国家安保室第2次長を内定した。複数の日韓関係筋が明らかにした。文在寅(ムンジェイン)政権の対日政策を日本に正確に伝える役割が期待されているという。
南氏は1957年生まれ。81年に外務省(当時)に入り、駐スウェーデン大使などを歴任した後、文在寅政権で、大統領府の外交問題を統括する国家安保室第2次長を務めた。
関係筋の一人によれば、李大使は昨年5月、市民団体が釜山の日本総領事館前に徴用工像を設置しようとした際、大統領府に対して日韓関係に悪影響を与えると助言するなど、関係改善に努めた。一方で、日本の政財界との人脈が乏しいなどの指摘も出ていた。
南氏は、90年代に在日本大使館に勤務した経験がある。別の関係筋は「日韓関係を重視する人物で、日本語も理解できる」と述べた。文政権は大統領と近い人物を優先的に主要大使に配置しており、南氏がどこまで日本政府の立場に配慮して職責を果たすか注目される。(ソウル=牧野愛博)