日立、実習計画の賃金満たさず 昇給・賞与規定もなし——贯通日本资讯频道
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日立、実習計画の賃金満たさず 昇給・賞与規定もなし

日立製作所とグループ会社計11社が昨年、国の監督機関「外国人技能実習機構」から数々の技能実習適正化法違反を指摘されていた。グループで30万人を雇い、経団連会長を出している日本有数のグローバル企業の足元で、実習生を不正に働かせていた実態が明らかになった。


日立と系列10社に改善勧告・指導 技能実習業務で違反


明らかになった改善勧告書では日立製作所大みか事業所(茨城県日立市)で、実習生の賃金が昨年7月段階で、日立と技能実習生が結んだ労働契約で定め、実習計画に記した賃金に達していないと指摘していた。社員の賃金規則には昇給や賞与の規定があるのに、実習生にはなく、「日本人と同等の待遇となっていない」とも言及し、法令順守の徹底を求めている。


また改善勧告を受けたグループ企業の中には、東証1部上場企業である日立金属や日立ハイテクノロジーズが含まれていた。


朝日新聞は昨年6月、日立アプライアンス多賀事業所(日立市)について不正実習の疑いがあることを、親会社である日立製作所に取材で指摘した。しかし、同社は「(技能が学べない)不適合は生じていない」と否定。だが、翌月に実習機構の実地検査で、必須作業の外注などの不正が判明した。同社広報・IR部は2月下旬、「不適合なし」と昨年答えた理由について、「コメントしない」としている。


日立製作所笠戸事業所(山口県下松〈くだまつ〉市)にも昨年7月以降、実習機構に加えて法務省、厚生労働省が複数回、実地検査に入っている。関係者によると、検査では両省の幹部らが「実習計画にない窓付けの作業をさせているではないか」と現場で指摘したが、日立は「不正はない」との立場を崩していないという。


この間、実習生がしわ寄せを受けた。実習不正があるとみる国は、笠戸での実習計画や実習生の査証(ビザ)更新を認めず、日立は昨年10月から計99人の実習生を相次ぎ解雇した。同社の中西宏明会長は昨年10月の記者会見で「(実習生の)ビザが変更されたので、就労させると違法になる。違法を避けるため、とりあえず解雇した。(笠戸での技能実習に)違法性はないと信じている」などと説明していた。


実習生をなだめる監理団体


改善勧告を受けた日立アプライアンス多賀事業所(茨城県日立市)で「電子機器組み立て」の習得目的で働いていたフィリピン人実習生2人が昨夏、朝日新聞の取材に実態を訴えていた。


1人は2017年2月の入国以来、洗濯機のふたにプラスチック製部品を取り付ける作業しかしてこなかったという。国の基準では「電子回路基板への部品の取り付け」は実習で必須な業務なのに、「一切していない」と証言していた。


別の実習生は16年2月の入国後、洗濯機の部品運びやふたへのステッカー貼りなどの軽作業が中心で、17年末ごろから基板に触れる職場に配置されたという。「電子機器の技能が身につくのか疑問だ」と改善を求めていた。


11社に実習生を紹介したのは「協同組合フレンドニッポン」(本部・広島市、FN)。実習を監査する監理団体だが、朝日新聞が入手した録音記録によると、実習目的と作業内容が一致していないことを訴える実習生に対し、説得に回っていた。FNの担当者は「多賀工場の洗濯機の仕事を理解してこっちに来たよね? 一番近い職種が『電子機器組み立て』じゃないかということで、電子機器組み立てにした。全然違うじゃないかというのは分かる。ただ、みんなの思っていることをクリアさせてあげるのは現実的に難しい」となだめていた。


FNは17年2月時点で日立や三菱グループなど全国の200社に5千人の実習生を紹介。昨年末で3千人台になっているとみられるが、監理団体としては最大手の一つだ。国はFNが適切に実習を監査していたかどうかを調べた上で、処分も検討している。(前川浩之、嶋田圭一郎)


改善勧告・指導を受けた12事業所と主な指摘


(カッコ内は検査や勧告・指導の日付。いずれも2018年)


日立茨城テクニカルサービス(4月11日)


→実習生の宿舎に鍵のかかる私有物収納設備がない


日立アプライアンス多賀事業所(7月12日)


→必須業務のプリント基板の作業を外注している


日立建機ティエラ(7月26日)※改善指導のみ


→有機溶剤の危険性周知で実習生の母国語表記などを求められる


日立製作所大みか事業所(7月26日)


→実際に支払われた賃金が、日立と技能実習生が結んだ労働契約で定め、実習計画に記した賃金に達しない。昇給や賞与が実習生になく、日本人と同等の待遇となっていない


日立パワーデバイス山梨工場(8月14日)


→技能実習の管理簿が備え付けられていない


日立金属九州工場(8月20日)


→勤怠記録と実習日誌の整合性がとれず、日誌が実態に即していない


九州テクノメタル(8月20日)


→実習生への指導内容を記録した実習日誌を作成していない


日立パワーソリューションズ(8月21日)


→技能実習指導員が、技能の経験5年以上の者ではない


日立金属茨城工場(8月22日)


→実習生の宿舎に消火器がなく、鍵のかかる私有物収納設備がない。実習日誌に休日出勤の記載漏れがある


日立ハイテクノロジーズ(8月28日)


→ある実習生の必須業務が(労働の)2分の1以上になっていない


日立ビルシステム(8月29日)


→実習生の残業手当の割増率が違い、日本人と同等になっていない


日立オートモティブシステムズ山梨事業所(9月7日)


→機械加工の旋盤作業が、計画と違う



日立製作所とグループ会社10社の計12事業所が、外国人技能実習機構から改善勧告や改善指導を受けていたことを報じた記事で、日立製作所大みか事業所(茨城県日立市)について、「最低賃金」を下回っているなどとあるのは、「日立と技能実習生が結んだ労働契約で定め、実習計画に記した賃金」の誤りでした。見出しとともに訂正します。また、12事業所の表で、同事業所について「基本賃金が最低賃金に達しない」とあるのは、「実際に支払われた賃金が、日立と技能実習生が結んだ労働契約で定め、実習計画に記した賃金に達しない」の誤りでした。最低賃金は法に基づき国が定めるもので、取材の過程で取り違えました。


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