出来たての焼き芋。台北市内の専門店「燔薯王(焼き芋の王様)」では、炭火の釜で焼き上げる=台北、西本秀撮影
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ホクホクと温かな焼き芋といえば、日本では冬を代表する食べ物だ。台湾では街角の専門店やコンビニなどで、ほぼ一年中、売られており、庶民にとって、より身近な存在と言える。ただ、サツマイモの品種改良を機に、その「不動の人気」に変化が生じるかもしれないという。
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庶民の台所として知られる台北市内の「東門市場」のそばに、「燔薯王(焼き芋の王様)」(金山南路一段109号)という名の専門店がある。店主の李明全さん(60)が20年近く営む、間口3メートルほどの小さな店だ。炭火を使い、手作業で焼き上げる素朴さが人気で、日本や欧米の観光客も多く訪れる。
焼き芋専門「燔薯王」。看板で「伝統の炭焼き」をアピールしている=台北、西本秀撮影
開店するのは午前9時だが、李さんの作業は朝6時ごろから始まる。サツマイモを洗い、へたを切り落とし、店内に四つある釜で焼き上げる。その日の天候や炭火の強さ、イモの大きさや形状によって、焼き加減は異なる。軍手をはめた手で、こまめにイモをひっくり返し、指先で火の通り具合を確認してゆく。「手触りでおいしさが分かるんだ」と李さんは語る。
量り売りをしており、値段は6…