野球の日本代表「侍ジャパン」の2人が中学校の野球部に「体験入部」した。オリックスの吉田正尚(25)と阪神の大山悠輔(24)が大阪市の西中学校野球部をサプライズ訪問。同じ練習メニューで汗を流し、子どもたちと交流した。
このイベントは大阪市がトップ選手を招いて開く「夢・授業」の一環。部員には何も伝えられておらず、いつものようにウォーミングアップを開始。その後、ミーティング中に背後から2人が忍び寄る。その姿に気付いた部員たちは「うわっ!」と声をあげて驚き、サプライズは大成功。「体験入部」として2人が紹介され、そのまま練習がスタートした。
キャッチボール中には主将の高崎凜人(りと)くん(14)が「大山先輩、吉田先輩、声が出ていません!」と注意されると、2人は「はい!」と答える場面も。守備練習では大山が本職の三塁、普段は外野手の吉田正は遊撃に入り、ノックをこなした。テニスボールを打つロングティー練習では、2人が本領を発揮。間近でプロの選手がボールを飛ばす姿を子どもたちは真剣な表情で見つめていた。
高崎くんは「本当にびっくり。阪神ファンで、その中でも大山選手を応援していた。憧れの選手と練習できてうれしい」と夢のような時間に興奮気味。打撃練習では吉田正から右足が開いていると指摘があったといい、「閉じるように意識して打ったら、球が飛ぶようになった」と一流選手からの貴重なアドバイスも受け取ったようだ。
積極的に子どもたちに話しかけていた大山は「何かひとつでもいいので、目標を持って欲しい」とエールを送った。吉田正は「憧れられる選手になれるようにいいプレーをしたい」と話し、9、10日のメキシコ戦(京セラドーム大阪)に向けて活躍を誓った。(辻隆徳)