ノルウェー・オスロで10日行われたノルディックスキーのワールドカップ(W杯)ジャンプ男子で、日本人初の個人総合優勝を決めた22歳の小林陵侑選手(土屋ホーム)は、岩手県八幡平市出身だ。優勝が決まったのは日本時間3月11日。東日本大震災から8年の節目に快挙を達成したことについて、「確かに3月11日ですもんね。あの……8年前を思い出し、すごく成長したと思います」と思いを口にした。
14歳だった震災当日は、ジュニアの大会に参戦するために新潟県に滞在していたという。「ホテルがすごく揺れたのは覚えています」。そこから成長し、昨季の平昌五輪出場、今季のW杯総合優勝と飛躍した。
自らの偉業達成と重なった点を問われ、「うれしいニュースと、悲しい(記憶)が重なってしまうと思うんですけど、これから岩手県勢が頑張っていくぞ、という日になれば」と話した。(オスロ=稲垣康介)