東日本大震災の被災地を店のお客さんと一緒に支援したいと、牛タンを注文する度に100円を出してもらう「タン塩募金」を東京都立川市の焼き肉店が7年半前から続けている。年間25万~30万円が集まり、被災学校や保育施設、NPO法人などに直接渡す。交流はお客さんを巻き込みながら広がり、深まっている。
「焼肉富貴(ふうき)」はJR立川駅北口のビル7階にある。山形牛の一頭買いを売りにする店で、壁には「タン塩で地震被災地復興を応援します」の手書きの貼り紙が掲示されている。洗面所の壁には、応援した学校の生徒らからの寄せ書きなども貼られている。
東北地方から肉を仕入れる代表の佐藤文彦さん(59)は震災の2011年夏に仙台市の沿岸へ妻と出かけ、被災した学校の姿に衝撃を受けた。そこで「仙台名物の牛タンをきっかけに」と考えたのが募金だった。タン塩(1500円)、上タン塩(2千円)などに100円を上乗せし、貯金箱にためていく。
募金の方法を探る中で、知り合…