東京の夜景を眼下に一望できる六本木ヒルズの屋上展望台で、星空を観察する「六本木天文クラブ」が10周年を迎えた。仕事帰りや観光ついでに気軽に参加できるとあって、これまで14万人を超える人が訪れた。
六本木天文クラブは2009年に始まった。毎月第4金曜日に、高さ270メートルにある屋上展望台の「スカイデッキ」で星空の観察会が開かれている。天文に詳しいスタッフが天体望遠鏡の使い方や星座の探し方を教えてくれる。申し込み不要で、参加費無料(別途、スカイデッキまでの入館料が必要)のため、日本を訪れた外国人観光客など、様々な人が天体望遠鏡をのぞいていた。
定期的な観察会のほかに、七夕やペルセウス座流星群、中秋の名月など、1年を通じて観察会がある。今年初めての試みとして、7月20日に東京タワーの方角から、10月18日にスカイツリーの方角からのぼってくる月を見るイベントも。
また、毎月第四金曜日にはヒルズ内で天文の専門家「星のソムリエ」が、最新の天文ニュースや季節の星空を詳しく解説するセミナーも開かれている。4年前からセミナーと星空観察会に参加する川崎市の会社員中村ふみさんは「都心ですが、夜空を遮る建物が周りにないため、星々が思いのほかよくみえる」と魅力を語る。夏には月のクレーターもみられる本格的な望遠鏡を作る子ども向けワークショップもおこなわれる予定だ。
屋上展望台での観察会は、雨天や雲が多い場合は中止。セミナーは有料で事前申し込みが必要だ。詳細はホームページ(
https://tcv.roppongihills.com/jp/tenmon/
)。(伊藤恵里奈)