中国最高人民検察院の張軍検察長は12日、全国人民代表大会(全人代)での活動報告で「民族を分裂させる活動や過激な宗教活動は厳しく取り締まる」との方針を示した。独立の動きがくすぶる新疆ウイグル・チベット両自治区や台湾の動きを牽制(けんせい)する狙いがあるとみられる。
ウイグル族不当収容の施設「存在しない」全人代で正当化
張氏は「政治の安全を守ることが常に最優先事項だ」と強調。このほか、政権の転覆や破壊を狙う活動や暴力的なテロ行為も取り締まりの対象に挙げた。中国では政権に批判的な弁護士や活動家の拘束が続いており、引き続き厳しい姿勢で臨むことを示した。
最高裁長官にあたる最高人民法院の周強院長も同日の活動報告で「共産党の法院に対する絶対的な指導を堅持する」と述べ、「(スパイ事件など)国家の安全に危害を及ぼす犯罪は厳罰に処す。政権や制度を核とした政治の安全を固く守る」と強調した。(北京=延与光貞)