地球に接近する小惑星を爆破し、人類を救う――。米SF映画「アルマゲドン」などで描かれた方法で小惑星の衝突を避けるのは、現実には難しいとする研究結果を、米ジョンズ・ホプキンス大の研究チームがまとめた。小惑星は予想以上に頑丈なことがわかったという。
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地球の軌道に近づく小惑星は約1万9千個あり、そのうち約2千個が「潜在的に危険」として監視対象になっている。現時点で、大きな被害を及ぼすような小惑星はなさそうだが、小さな小惑星は発見が難しい。2013年にロシアで1500人以上の負傷者を出した直径約20メートルの隕石(いんせき)も事前に把握できなかった。
研究チームは、直径25キロの小惑星に、直径1キロの小惑星を秒速5キロで衝突させるシミュレーションを行った。衝突直後は、数百万の破片に砕け散ったが、重力によって再び破片が集まり、約3時間後には元の形にほぼ「復元」したという。
これまでの同様の研究では、小惑星は完全に破壊されるとされていたが、今回は壊れ方をより細かく設定し直したという。「大きな小惑星ほど割れ目が生じやすいため、破壊は簡単と考えていたが、思ったよりずっと硬い」とチームは指摘している。
一方、地球に衝突しそうな小惑…