宇宙ベンチャー「インターステラテクノロジズ(IST)」の開発したロケット「MOMO」3号機が国産の民間単独開発のロケットとして、初めて宇宙空間に到達した。突破した高度100キロは「カーマン・ライン」と呼ばれる宇宙への入り口で、ロケットが達成すべき最初の関門だ。活用が広がる小型衛星の打ち上げビジネスへの参入をめざす同社にとって、新たなロケット開発への第一歩となる。
MOMOは過去2回、打ち上げに失敗しており、今回は「背水の陣」だった。2017年の1号機は高度約20キロまで上昇後に落下、18年の2号機は打ち上げ直後に落下して大爆発した。
これを受け、ISTは自社だけで原因究明する態勢から転換。ロケットの製造に関わる三菱重工や宇宙航空研究開発機構(JAXA)の担当者らからなる外部委員会を設け、原因部分の設計を見直した。本番と同じ2分間の燃焼実験も初めて実施し、機体の耐久性の確認など対策を整えた。
今回の打ち上げ成功を受け、ISTが次に狙うのが、地球を周回できる大型の推力を持つロケット「ZERO」の開発だ。
背景には、小型衛星の需要の高…